声優に芸能人(タレント)を起用するのはダメなのか?なぜタレントを起用するのか?

映画などのアニメでは、いわゆる声優はメインキャラクターに採用されず、俳優や女優、タレントが抜擢されることが多い。しかしながら、この起用が棒読みだとかなぜ専門家である声優を使わないのか?と声優ファンから叩かれることがある。また、アイドルが声優の道に進むなどと言うと、声優なめんなと叩かれる。声優に芸能人(タレント)を使う理由を書くとともに、声優への芸能人の起用はダメなのか私の意見を書きたい。

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声優に芸能人を使う理由


引用:公式サイト

宮崎駿は自身の映画にあまり専業声優を使わないことで有名だ。『紅の豚』のオーディションのとき、「近頃の女性声優は娼婦の声しか出せない」と発言したというエピソードがよく知られているが、それはソースも不確かで実際に発言したか定かではない。一説には声優にフラれたからという私怨説まであるが、理由はどうあれ芸能人を多く起用しているのは事実である。

例えば『風立ちぬ』では主演がアニメ監督の庵野秀明、そのほか瀧本美織、西島秀俊、西村雅彦などの俳優陣が名を連ねている。また大ヒットした新海誠の『君の名は』も、神木隆之介、上白石萌音、長澤まさみ、市原悦子と俳優陣で構成されている。

監督によってそれぞれ起用理由はあるだろうが、私が芸能人を使うメリットで最も大きいと思うのは、舞台挨拶などのときに囲み取材が入って、ワイドショーなどで取り上げられて無料で宣伝効果があるからだと思う。キャストが声優だとこうはいかない。意外性のある芸能人や旬な芸能人を起用することで、注目度が上がり、作品の成功に直結する。

声優は元々俳優の副業だった

また声優は、元々俳優の副業的存在であったことは忘れてはいけない。これも例を出せば、戸田恵子はアイドル演歌歌手としてデビューし、舞台女優を経験しつつ、『無敵鋼人ダイターン3』や『機動戦士ガンダム』などに出演している。今でも女優業として活躍している。また元夫である池田秀一も子役出身で、天才子役として名を馳せた後、同じく『ダイターン3』や『ガンダム』に出演している。

この傾向は今でも見られる。三森すずこは元舞台女優だし、宮野真守は元俳優だし、小倉唯や石原夏織は元アップフロント系アイドルだし、悠木碧は元子役だし、阿澄佳奈も元アイドルと枚挙にいとまがない。人気声優に声優一筋の人よりも別業種から転向した声優が多いのも興味深い。ただ彼らは、声優としての演技指導を受けているので、ほかのタレントと異なり、批判の対象にはならないのだろう。

声優に芸能人を起用するのはダメか?

声優にタレントを起用するのが嫌な人は、タレントは下手だからというのが最も大きい理由だと思う。しかし本当に下手なのだろうか?確かにタレントの演技は抑揚がないし平板で、専業声優の声を聴き慣れていると違和感を感じる。とはいえ、現実世界で日本人が話しているのを聴くと、そんなに抑揚は付いていない。アニメっぽい声の出し方をする人がいると逆にウザく感じるはずだ。

言ってしまえば、専業声優の演技はわざとらしく、タレントの演技は自然とも言える。それでも専業声優の演技はわざとらしくする必要性がある。なぜなら、アニメは表情や動きにあまりに乏しいからだ。

人間のコミュニケーションの7割は非言語コミュニケーションだと言われる。表情や動きに乏しいアニメ、特に制作がカツカツの深夜アニメは、わざとらしい演技でなければ感情がちゃんと正確に伝わらない。一方で、大きなコストをかけてクオリティーの高いものを作り上げるアニメ映画では、表情や動きが細部まで描かれ、言葉よりも多くのことを物語る。違和感は軽減され、物によってはより自然な演技に感じることもある。

また深夜アニメのキャラクターは記号的なのもある。コミュ障なオタクに向けて、特徴を尖らせて分かりやすくしたのが深夜アニメのキャラクターで、そのためには演技も仰々しくて良い。一方で人間を描こうとするアニメでは、過度なキャラクター性や記号化は邪魔になる。そこに専業声優の需要は薄い。

まとめ

結局は適材適所ということなのだろう。日テレの深夜アニメ『ナナマルサンバツ』はヒロインの声優を『高校生クイズ』つながりで川島海荷がやっていたが、棒読みで、非難囂々だった。日テレはこういうことをよくやって反感を買うことが多い。一方で、彼女は映画『モンスター・ホテル』の吹き替えもやっているが、こちらは上手いと好評である。

人気重視のキャスティングではなく、役に合った声をちゃんとキャスティングしてほしいと思う。人気声優や人気俳優を使っときゃいいやというような安易なアニメは、面白さも大概なものが多い。

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川島海荷
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こえのおと
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