こえのおと

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『二度目の人生を異世界で』で声優降板、アニメ中止、出版停止になった理由を考える

2018年10月からアニメ化を予定していた『二度目の人生を異世界で』の作者であるまいんTwitterで中国および韓国に対するヘイトスピーチをおこなっていたことが問題となっていたが、今回アニメにおける主要声優陣全員が降板するという事態になった。さらに、その後18巻が発売されている原作も出版停止となり、アニメ自体も中止が発表された。


「二度目の人生を異世界で」アニメ化中止のお知らせ
アニメ化発表以来、一連の事案を重く受け止め、
本アニメの放送及び製作の中止をお知らせ致します。
みなさま、及び本作品の制作に関わった方々には多大なるご迷惑、ご心配をおかけしました事、心よりお詫び申し上げます。
「二度目の人生を異世界で」製作委員会
http://nidomeno-jinsei.com/

騒動の流れ

『二度目の人生を異世界で』は「戦争および戦後に中国、日本で日本刀で5000人殺戮した(ただし被害者は明確になっていない)」主人公が異世界に転生するというストーリーである。まずこれがTwitterで日本在住の中国人により問題視され拡散された。その後、作者のTwitterで中国や韓国に対するヘイトスピーチを過去に繰り返していたことが明らかになり、本格的な騒動となっていった。

ヘイトスピーチの例をあげると中国と虫国と表記したり、韓国を姦国と書いて、韓国人のことを猿などと呼んでいた。これはヘイトスピーチ規制法に思いっきり当てはまるようなヘイトスピーチそのものであり、当然批判の対象となった。


それを受けて先日作者が「【お詫び】私の過去のいくつかのツイートにつきまして、多くの方に非常に不快な思いをさせてしまう、不適切な表現がありましたことを深くお詫び申し上げます。事実関係を正確に把握せず、深い考えもなく行った発言ではありますが、行きすぎた内容であったことを深く反省しており、不快に思われた皆さまのお許しを頂けるとは思っておりませんが、心より謝罪させて頂きたいと思います。」などと謝罪した。

しかしながら、今回主要キャスト陣の降板ということになった。というかむしろ降板が先に作者らに伝えられて、謝罪する羽目になったと言うことだろう。

降板した主要キャスト陣は
功刀蓮弥:増田俊樹
シオン=ファム=ファタール:安野希世乃
ローナ=シュヴァリエ中島愛
創造主:山下七海

である。

増田俊樹official @Masuda_Toshiki
【スタッフ】日頃より増田俊樹への応援誠にありがとうございます。
先日、増田俊樹が功刀蓮弥役として発表されましたアニメ「二度目の人生を異世界で」につきまして、この度降板させて頂く事が決定いたしました事をご報告させていただきます。
スペースクラフト・エンタテインメント株式会社

安野希世乃 official @Yaskiyo_manager
日頃より安野希世乃へ応援頂き誠にありがとうございます。
先日安野希世乃がシオン=ファム=ファタール役として発表されました、アニメ「二度目の人生を異世界で」につきまして、この度降板させて頂く事が決定いたしました事をご報告させていただきます。
エイベックス・ピクチャーズ株式会社

中島 愛 official @mamegu_staff
【ご報告】日頃より弊社所属声優・中島愛を応援頂きまして誠にありがとうございます。
先日、中島愛がローナ=シュヴァリエ役として発表されましたアニメ「二度目の人生を異世界で」につきまして、この度降板させて頂くことが決定いたしました。
イーストーン・ミュージック

81プロデュース公式サイト
日頃より山下七海へ応援頂き誠にありがとうございます。
先日、山下七海が創造主役として発表されました
アニメ「二度目の人生を異世界で」につきまして、
この度降板させて頂く事が決定いたしました事をご報告させていただきます。
株式会社81プロデュース

声優がレギュラーキャスト1つを獲得するのも大変なのに、それを返上するというのは並大抵のことではない。特にこの4人は腐るほど仕事があって、これがなくなったからどうってことないと言うわけでもないのに降板するのは覚悟がないとできないだろう。

声優降板の理由

この声優降板の理由がヘイトスピーチを問題視して、という理由だとニュースサイトなどで報じられていることが多いが、それ以外にもいくつか理由があるように思う。

まず大きな理由の1つに、このヘイトスピーチおよび作品の内容を受け入れられない中国人が、主演声優の増田俊樹に対して、殺害予告を中国版SNSに送信していたことが明らかになったことがある。

殺害予告には「作者の住所など見つからないが声優は簡単に特定できる」「成功したらアニメ化は絶対白紙になる」「愛国者として絶対譲れない、逮捕されて殉国する覚悟がある」(原文は中国語)と書かれており脅迫とも取れるようなものだった。このような事態を重く見て、声優を守るために降板を決定したのではないかと思われる。

もう1つは中国のアニメ市場が日本に匹敵(もしくは凌駕する)ような存在になっていることが考えられる。特になろう産異世界小説は中国での需要が高く、ビリビリ動画などでも『Re:ゼロから始める異世界生活』などは2億再生に迫るほどの人気がある。したがって、中国で受け入れられないようなアニメは、無理を押して放映する意味がない。中国の人に嫌われないために、と言うのは理由としてないわけではないだろう。

アニメ放送中止、出版停止の理由

声優陣が上記の理由で降板したので、この声優陣の後役につく声優、事務所はいない。この時点でアニメ放送中止は決定したようなものだ。もっと言えば、もともとアニメ放送中止は決定していたのかもしれない。最初にヘイトスピーチ反対という強い態度を見せるために声優を逃して、その後アニメの放送中止を発表したのではないかという気もしている。声優の降板を発表しないままアニメ中止になると、声優がヘイトスピーチを了承しているように感じられる。

一方、出版停止に関してだが、これは些か過剰な反応なのではないか?という気もする。作者の思想と作品は私は分けて考えなければならないと思っているし、問題視された「戦争および戦後に中国、日本で日本刀で5000人殺戮した」という点についても、設定自体が気持ち悪いし全く読みたいと思わないが、今回問題になったヘイトスピーチには当てはまらないだろう。

まあただ、最近のポリティカルコレクトネスの流れでアメリカではヘイトスピーチを1回ツイートした女優が解雇で番組1つが潰れたというのも最近ニュースになっていた。そういう流れにあって、出版社は最初からツイートをチェックしておくべきだっただろうし、もし知りながら無視していたなら問題だ。私も発言には気をつけなければならないなと改めて思った。