【2018秋アニメ】あんまり人気はないけど好きな人は好きになれると思う4作品

2018秋アニメもほぼ終了。世間的な人気度で言えば『SSSS.GRIDMAN』『ゾンビランドサガ』『ゴブリンスレイヤー』『青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない』『転生したらスライムだった件』だろうか。ちょっとアニメに一家言ある人は『やがて君になる』を好きな人も多いかと思う。たしかにこれらのアニメは絵が綺麗だったり、意外性があったり、不意に感動させられたり、インパクトが強かったり、心理描写が繊細だったりとまあ面白い。人気になるのも分かる。

人気のあるアニメがある一方で、最大手アニメ感想まとめサイト「あにこ便」にコメントが100つくかつかないかのような人気のないアニメもある。「やらおん」に3話で感想を打ち切られるようなアニメもある。円盤売上も1,000枚程度のアニメもある。ただ、世間的な人気がなくても、自分自身にとって面白いアニメは存在する。面白いのに人気がない理由としては、絵がいまいちとか、掴みが悪くて視聴者が定着しないとか、万人ウケじゃないとか、そもそも最初から観る気がないとか、色々あるだろう。しかしながら往々にして、そういう一癖も二癖もあるようなアニメの方が本当に好きになれたりするものだと私は思っている。

ここではあんまり人気がないけど私が好きな2018秋アニメを紹介したい。本音で言えば、最初に挙げた人気の5作品は私にとっては微妙だった。私が好きなのはここに挙げる作品である。たぶん、この記事を読んで「じゃあ観てみよう」と思って視聴しても「全然面白くねーよ。嘘つくなゴミ。」と罵られる可能性が高い。人気がないということは大抵の人は面白くないと思っているからだ。だけど、好きな人は好きになれるアニメがきっとあるはずだと確信している。少数派で肩身の狭い思いをしている人がいたら、私もそのアニメ好きだよと言ってあげたい。ちなみに声優ブログらしい内容は特にない。

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DOUBLE DECKER!ダグ&キリル

『TIGER & BUNNY』の系譜にある「バディもの」アニメだけど、今回はヒーローではなく刑事。なによりキャラクターが魅力的。飄々としてるけど心の中では熱い魂を持つダグと正義感が強いが空回りしがちな心優しいキリルをはじめとして、食いしん坊で真面目なケイ、口は悪いが自分に素直なディーナ、悲しい過去を乗り越えて自分を見つけ出したマックス、淑やかで凛としたロボットのユリと個性豊か。こう何人か集まると大抵一人くらいは、好きじゃないなって思えるキャラが私の場合はよく出てくるのだけど、ダブデカにはそれがない。

ストーリーはヒーローに憧れる新米刑事のキリルが、アンセムという違法な薬物を専門に取り締まるSEVEN-Oという機関に配属され、相棒のダグと様々な事件や、犯罪組織エスペランサとの争いに巻き込まれていくという話。コメディーチックだけど、シリアス展開も多い。最初の1話がコメディーに結構振ったような話だったので、それで視聴をやめた人もいるかもしれないが、2話以降はしっかりとしたサスペンスでコメディーは添え物になっている。シリアスになり過ぎず、ちょうどいい塩梅に思う。終盤の怒涛の展開も見逃せない。

そして何より『ダブデカ』で評価したいのは、とても社会的な問題意識に立脚したアニメになっているということだ。例えば7話ではLGBTや外見偏重の社会に対する風刺が描かれているし、10話では医療大麻に関する議論をアンセムという架空の薬物で間接的に描いている。キャラクターもトランスジェンダーがいたり白人がいたり黒人がいたりアジア人がいたりロボットがいたりと多様性があり、ポリティカルコレクトネスの時代のアニメを感じさせる。アニメではユートピア的で非現実的な問題が描かれることが多い中、こういうアニメの重要性も高まっていると思う。

あかねさす少女

いわゆるパラレルワールドもののライトSF。土宮明日架を部長とする鉱石ラヂオ研究会はひょんなことから別のパラレルワールドへと移動してしまう。そこで出会ったのは明日架と同じ容姿をしたアスカだった。ラヂ研のメンバーは、世界を破壊しようとする黄昏の王との闘いに巻き込まれながらも、自分自身の悩みや葛藤へと向き合っていくというストーリー。

執拗なまでのちくわ推しだったり、クソダサい戦闘スーツだったり、これまたクソダサい決めポーズだったり、決めるところが決め切らない脱力感があるが、それがまた味があって良い。言ってしまえばB級アニメだろう。高級フレンチは美味しいが頻繁には食べたくない。結局日常的に食べたくなるのはラーメンだったりオムライスだったり牛丼だったりそういう料理だ。『あかねさす少女』は気取らない感じがとても心地よい

アニメで描かれる女子高生の自分の未来の可能性を信じる姿に、おっさんとしては眩しすぎて少し恥ずかしくなってしまうところもあるが、製作陣の視聴者へのメッセージは生々しいほど強烈に伝わる。そして声優ブログとしては黒沢ともよさんの演技にも注目してほしい。一人六役ほどを演じている。

RErideD 刻越えのデリダ

第1話の冷凍睡眠へと入り方がギャグとしか思えず、1話でネタアニメ枠と相成ってしまったアニメだが、意外と主軸は悪くない。ストーリーは、オートマタDZの開発者のデリダがDZのバグを発見して直そうとするが、社長に止められ逆に命を狙われてしまう。ひょんなこと(としか表現できない)から冷凍睡眠で10年眠ってしまったデリダは10年後の未来で、デリダを慕っていたマージュを救うためにタイムリープを繰り返すというものである。

あらすじを見てわかる通り、『シュタインズゲート』によく似ている。実際監督は同じである。しかしながら、成功したかは別にして『シュタインズゲート』よりもSF寄りにしようという気概は伝わってくる。主軸以外は相変わらずガバガバで苦笑してしまうのだが、それが逆説的に、こういうものを作りたいという熱意を感じる。ちょっと出来が悪いんだけど一生懸命な子を応援したくなる、そんな感じだろうか。そういう点では作画崩壊が尋常ではない『俺が好きなのは妹だけど妹じゃない』に通じるところがあるかもしれない。

そしてなんだかんだ言って先が気になる展開。これまた意外と伏線とかもしっかり張ってあって、細かいところも見逃せない。もう少し設定を詰めていれば今よりは評価されたと思うのだが。

RELEASE THE SPYCE

ここに入れようかどうか迷った。最初はタカヒロ脚本ということでシリアス展開を期待した。しかしながら全然シリアスにならず、また内通者も全く明らかにならず、面白くないなと途中までは思った。だけど多分これは私の見方が悪かったんだろう。最初からシリアスなのかコミカルなのか分からないフラットな気持ちで見れば、綺麗にまとまっていたと思う。

ストーリーはツキカゲというスパイ組織の一員となったモモが師匠の雪の姿を見て成長していくという師匠から弟子へ受け継がれる物語である。この「師匠から弟子へ」というのが『リリスパ』全体に通底するテーマで、それを達成するための演出、ストーリーになっている。とても予定調和的なのだが、予定調和的なストーリーを作り上げようとしてできたのが『リリスパ』なのだと思っている。最初から最後まで一本筋は通っている

1話の伏線が11話あたりで効いてきたりと非常にストライドが長く、どうしても1話ごとの評価を下されるアニメでは、こういう作品は不利になりやすいが、そういう挑戦は歓迎したい。ただやっぱり、なもりの可愛らしい絵柄のキャラクターが死んだ魚になるようなギャップを見たかったとは思う。

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こえのおと
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