なぜD4DJは失敗したのか?ブシロードの声優起用について思うこと

ブシロードの木谷高明社長が「社運を賭けた」という言葉で宣伝していた声優ユニット新規コンテンツ『D4DJ』。2019年の4月にプロジェクトがお披露目され、その後複数回のライブを経て、満を持して2020年の10月30日にスマホゲーム『D4DJ Groovy Mix(グルミク)』がリリースされた。ところが、ゲームの売上は伸び悩んでいる。Game-iによるとアプリの売上の平均順位は、2月は201.6位、3月は293.3位と減少傾向に歯止めがかかっていない。

私もサービス開始時にインストールしてプレイしていたのだけど、途中から『ブルーアーカイブ』にうつり、現在は(ブルアカも一応継続してやってはいるが)『ウマ娘 プリティーダービー』に移って引退した。同じ経過をたどっている人は結構多いんじゃないかと思う。

ゲームのリリースと同時期にはアニメ『D4DJ First Mix』もスタート。TBSのゴールデンタイムの枠を買い取って『D4DJ presents CDTV特別編 みんなが歌える!神プレイリスト』なる番組を制作し、声優陣を出演させて宣伝していたり、渋谷などの東京の各地に巨大な看板を設置したりと宣伝をしまくっていた。余談だが、件の番組は正直なんだか恥ずかしくて見てられなかった。視聴率自体はそんなに悪くなかったようだが。広告宣伝費は8億円とも言われるほどに、一気に攻勢をかけたわけだが、その割には芳しくない。

ゲームのアクティブ人口は10万人以上なので、他ゲームと比べて特別少ないというわけでもない。失敗と言い切ってしまえるほどのダメダメっぷりというわけではないが、売上的にはブシロードの期待以下なのは実情ではないだろうか。なぜD4DJは失敗してしまったのか?

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なぜD4DJは失敗したのか?

意気揚々と書き出し始めたのだが、「なぜD4DJは失敗してしまったのか?」というタイトルで書き始めたのは、2021年1月くらいで、そのころはあんまりそういう記事を書いているブログも少なかったのだが、最近はいろんなブログやサイトで考察され始めていて、特に私が書くこともなくなってしまった。ボツにしようかと思ったのだが、もったいないので書き上げて一応アップする。

まあ改めて書くのもなんだけど、私が最も問題だと思ったのはキャラクターデザインで、なんだか取っつきづらいというか、今風ではないデザインなのが足枷になっているんじゃないかと思う。

基本的に音ゲーはキャラクターの性能でガチャを回すということはなくて、キャラクターが好きでガチャを回すことが多いから、キャラクターを好きになれる人が少なければ、やっぱりそれは不利に働く。キャラデザが微妙でもプレイしているうちに好きになるということはあるけど、ゲームではそのキャラクターの内面の掘り下げが成功しているとも思えず、課金に繋がっていないのではないか。

また、最初は30代から40代の男性向けをターゲットという感じで、おっさん好みな楽曲を用意していたけど、その後はホロライブとコラボしたり、中高生に人気のP丸様(輝夜月の中の人と言われる)の楽曲を追加したり、ターゲットがブレてきている。売上の低迷で、路線変更せざるを得なくなったのかもしれないが、今さら若い子向けにシフトしても…という気もする。

それに、おっさんがターゲットという割にはゲーム画面が結構うるさくて、ゲーム自体もスライダーやスクラッチがついていて、一般的な音ゲーと比べて複雑なのも一因じゃないだろうか。クラブハウスの雰囲気を出しているんだろうけど、ゲームの作りと初期のターゲットが噛み合っていなかったと思う。

宣伝攻勢も実は逆効果だったんじゃないかと思っている。最初にコンテンツに飛びつく人(アーリーアダプター)は自分が一番最初にコンテンツを「見つけた」という感覚がほしいのに、リリース前から大規模な宣伝をしていると、その感覚が全く味わえないので敬遠されるんじゃないかと思う。最近マスコミが、声のSNSと言われる新しいSNSの「Clubhouse」を特集しまくっていたが、案の定すぐに廃れてしまったのと似ている。マスコミで宣伝されるものはダサく感じる

あと、楽曲数が多すぎる(250曲程度収録されている)のも個人的には良いことだとは思えなくて、途中から始めようとするとあまりの楽曲の多さに、どこから手を付けていいか逆に尻込みしてしまう人もいるんじゃないだろうか。それに、カバー曲はアクティブユーザー数あたり1曲0.45円が著作権料として徴収される(JASRAC)。『グルミク』はアクティブが少なくないので、1000万円近くを著作権料として支払っているのではないかと思うので、売上から言えば1割未満だとは思うけど、軽くはない負担になっているのではないか。

他にも、D4DJのアニメ放送を他のアニメから3週遅れで開始したのも失敗だと思う。これは木谷社長の案で「3週でみんなアニメを切るから、そのあとから放送開始すれば見てもらえる人が増える」というような作戦らしい。しかし、もう見るアニメを決めた後に追加するのはまた労力だし、そもそも最近はサブスクリプションでアニメを見る人が多いので、アニメを切るとかいう概念が時代に合っていないと思う。

また、そもそも音ゲー自体に新規参入の余地がもはやないという理由もあるかもしれない。

バンドリとの声優かぶりの多さ

ここまで書いていたのだが、これだけでは声優ブログらしくもないので、声優に目を向けることにする。ブシロードのコンテンツは、キャストの半分程度が固定されている。響所属の声優や、それに準じるような事務所の声優が多用される傾向にある。『D4DJ』も例外ではない。

一方で、ブシロードの音楽ゲームコンテンツには『BanG Dream!(バンドリ)』がある。もちろん違うゲームなのだが、基本的には同じシステムのゲームなので、当然ながらユーザーは食い合う。そしてやはり、バンドリとD4DJは声優陣も多くかぶっている。

キャストかぶりをしている声優を列挙すると、西尾夕香(愛本りんく、広町七深)、志崎樺音(渡月麗、白金燐子)、愛美(山手響子、戸山香澄)、倉知玲鳳(清水絵空、パレオ)、紡木吏佐(出雲咲姫、チュチュ)、前島亜美(新島衣舞紀、丸山彩)、大塚紗英(月見山渚、花園たえ)、進藤あまね(春日春奈、倉田ましろ)の8人で、全体の33%が両方のコンテンツに共通している声優ということになる(括弧内は順番にD4DJでの役名、バンドリでの役名)。ユニット以外に目を通すと、Raychellも両方に出演している。

※抜けを指摘いただいたので削除、訂正しました。(4/7)

『バンドリ』をやっているプレイヤーが、似たようなゲーム性で半分近くの声優陣が同じゲームをわざわざプレイするとは思えないし、好きな声優が出ているからということでプレイしたとしても、課金しようとは思わないのではないか。アクティブ数が多い割には、課金額が少ないのもそれが原因じゃないかと思う。

D4DJは最初にライブからスタートしているが、ライブは声優の固定ファンが来るし、D4DJ(に限らずブシロード全体としてその傾向はあるが)は元アイドルを積極的に起用しているのでライブの動員は上々で、売れる見込みがあると思ったのかもしれない。だけど、ライブに行くというのと、課金してもらえるかというのは全く別だと思う。

声優を囲うほうがコストやスケジュール管理の面でメリットがあるのだろうが、どのゲームでも声優がほとんど同じというのは味気ないし、本当にキャラクターに合う声優を選んでいるのだろうかと懐疑的にもなってしまう。逆に、キャラクターを声優に合わせにいっているのならば、似たようなキャラクターばかりになって、もっと味気ない。

実際のところ、声優陣でゲームを選ぶ人はマイノリティーだと思うので、声優陣をフレッシュなメンバーにすれば『グルミク』は売れたのかと言われれば、たぶん売れなかったと思う。少なくとも新人声優を起用したのだったら、アクティブユーザー数は今よりもかなり少なくなっていたのは間違いない。アイマスはアイマスというブランドがあるから売れるだけで、それがなかったら売れない。

だけど『バンドリ』とファン層がかぶっていたら、将来的にもあまり発展性がないのではないかと感じる。それでなくても単純に、声優が好きな立場から言えば、いろんな声優を使ってくれたほうが嬉しいし、声優が既存曲をカバーしたのを聴くのが大好きなので、もっと多様な声優を起用してほしかったなと思う。

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D4DJ 愛美
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