なぜミュージックレイン3期生はなかなか出てこられないのか?

このブログで何度かミュージックレイン3期生を取り上げてきた。ミューレ3期生は、2017年8月30日に開始し、翌年の1月13日に最終審査を迎えた第3回ミュージックレインオーディションの合格者である。メンバーは5人いる(カッコ内は現在の年齢)。

相川奏多(17)、橘美來(22)、夏目ここな(18)、日向もか(20)、宮沢小春(23)。

全員が10代か20代前半で若い。オーディション合格時に相川奏多は13歳であった。オーディション合格年をデビューと考えると、全員が2018年にデビューしたことになり、今年で芸歴は4年目になる。ただ、合格からお披露目まで少し期間が空いていた。お披露目は2019年12月の『アイドリープライド』のプロジェクト発表配信であり、つまり2年弱は稽古を積んでいたと思われる。1期生も声優のレッスンは2年だったから、ミューレのカリキュラムがそんな感じなのだろう。

アニメやゲームのデビューは2021年の『アイドリープライド』で、これに全員が出演している。つまり、オーデ合格からは4年強、お披露目からは2年半、声優デビューからは1年半というキャリアが現在のミューレ3期生になる。声優全体から見ると、オーデ合格から4年は全然ペーペーだし、声優デビューから1年半なんてひよっ子もいいとこ扱いで、つーかこれからっしょって感じだろうが、過去のミュージックレインは違っていた。

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ミューレ1期生と2期生の歩み

ミューレ1期生

ミューレ1期生の4人は次のメンバーになる(カッコ内はオーデ合格から4年後の年齢)。

戸松遥(19)、高垣彩陽(24)、寿美菜子(18)、豊崎愛生(23)

オーデションは2006年頭に終了しており、全員が同年(もしくはそれ以前)に声優デビューしている。オーデ合格から4年後までには多数のアニメに出演していた。いくつか代表作を出してみる。

戸松遥  『ToLOVEる』ララ・デビルーク、『かんなぎ』ナギ
高垣彩陽 『機動戦士ガンダム00』フェルト・グレイス、『true tears』石動乃絵
寿美菜子 『けいおん!』琴吹紬、『初恋限定。』土橋りか
豊崎愛生 『けいおん!』平沢唯、『みなみけ』吉野

ミューレ2期生

ミューレ2期生は3人(カッコ内はオーデ合格から4年後の年齢)。

雨宮天(21)、麻倉もも(20)、夏川椎菜(19)

オーディションは2011年中旬に終了しており、全員翌年に声優デビューしている。オーデ合格から4年後までのそれぞれの代表作を挙げると

雨宮天  『アカメが斬る!』アカメ、『一週間フレンズ』藤宮香織
麻倉もも 『Charlotte』乙坂歩未
夏川椎菜 『天体のメソッド』古宮乃々香、『Classroom☆Crisis』上永谷アキ

などがある。1期生よりも出演作は少ないにせよ、モブ役などはたくさん出演しており、特に雨宮天は多数の主演を演じている。

ミューレ3期生の現状

ではミューレ3期生の現状を見てみると、まず全員が『アイドリープライド』に出演している。そして、相川奏多は『ワンダーエッグプライオリティ』で主演・大戸アイ役を演じた。この業績で声優アワード新人女優賞を受賞している。これだけ見れば、順風満帆のように思えるのだけど、それ以外のアニメやゲームの出演が、これまでのミューレ声優から見ると少ない。

最も出演作が多いと思われるのは橘未來だが、2020年にモブ2本、2022年にモブ1本の出演だけである。あと日本財団のYouTubeのナレーションの仕事があった。夏目ここなも2022年にモブ1本(橘未來と同じく『阿波連さんははかれない』)。宮沢小春は『戦国送球』という舞台1本。他のメンバーは『アイドリープライド』以外に公になっている出演作品がない。

他にYOASOBIの企画で朗読をやったり、配信番組『ミュージックレイン3期生新番組β版』があったり、『トーク&バラエティイベント 日々荘3号館』というイベントが月1くらいのペースであったりするのだが、やっぱりこれまでのミューレ声優と比べると物足りないと言わざるを得ない

ミューレ1期生の合格は16年前のことで、ミューレ2期生の合格は11年前のことだから、今の声優業界の状況とは一緒とは言えない。とはいえ、ファンも本音を言えば、もっと売れてもいいんじゃないかと思っているはずだと私は勝手に思っている。ミュージックレインはすでに4期生を募集していて、2021年内に合格者が決定しているはずである。4期生が出てくる前に、もっとたくさんの人に3期生を知ってもらいたい。能力的には決して劣っているわけではないのに、なぜ露出が増えていかないのか。それを考えたい。

ミューレ3期生はなぜなかなか出てこないのか

コロナ禍の影響

まず、ひとつにコロナ禍がある。コロナ禍でイベント等が中止になって『アイドリープライド』の立ち上げが計画通りにいかなかったということもあるだろうが、それとは別に、声優業界はコロナ禍で本質的に新人声優が出てきにくい環境にあるらしい。

1つは、アフレコ収録が少人数になったために、新人声優がベテラン声優から学ぶ機会が失われたこと。もう1つは、少人数収録になったために声優の拘束時間が減り、人気どころの若手・中堅声優が複数仕事を掛け持ちできるようになったため、相対的に新人声優のパイが少なくなったことが、週刊文春の記事に挙げられている。

当然、新人声優は自分よりキャリアとスキルがある先輩声優と現場を共にする機会がなくなります。それによって、せっかくデビューできたにもかかわらず本来できていたはずの学習ができず伸び悩んでしまい、能力的にそこ止まりになってしまう、ということに陥りやすい環境になってしまったのです。

声優のキャスティングをする際、希望する声優のスケジュールが空いているかどうかが問題になります。多くの場合、第1候補から第3候補くらいまで決めておき、優先順位の高い人からお声掛けしているのですが、新型コロナ流行以前は、実力のある人気声優を希望してもなかなかオファーが通りませんでした。どの声優も物理的に1日最大2つの現場にしか参加できないのですから仕方がありません。

ところが、新型コロナ流行後はどの声優も1日に5つ6つの現場に参加できるようになったことで、僕たちの「このスケジュールで収録できますか?」という希望も第2候補くらいの人でだいたい揃うようになりました。

あとミュージックレインはアニプレックスのアニメ(特にオリジナルアニメ)に出演することが多いのだが、最近アニプレックスも女性向けのアニメが多いのと、中堅声優を起用することが増えていて、新人の女性声優が出演できる機会が減っている。今期で言えば『くノ一ツバキの胸の内』が出そうな可能性があったけど、残念ながら起用されていない。

ミュージックレインの4期生が昨年募集されたが、その中の「スーパー声優オーディション」の募集要項には

その声を活かして歌手、俳優、アイドル、モデル、ゲーム実況者、マジシャンなど、領域を越えてマルチに活躍できる新しい才能を募集します。

とある。やはりミュージックレインにおいても、声優仕事だけでは新人声優が出ていくのは難しい環境にあるのは事実なのだろう。マジシャンは謎だが、ゲーム実況が入っているということは、デビュー後に声優として軌道に乗るまでは配信者として活動することもあり得る。

ミュージックレイン特有の理由

コロナ禍は新人声優全体が出づらくなっている原因だろうが、実際はコロナ禍以降にもデビューして売れている声優はいる。次にミューレ特有の理由を考える。ソニー・ミュージックアーティスツ(SMA)は2010年から定期的にアニストテレスというオーディションを開催しており、水瀬いのりや楠木ともりなど、そこから輩出された有名声優が数多くいる。その他にも矢野妃菜喜や元A応Pの春咲暖や星希成奏が在籍しており、楠木ともりや矢野妃菜喜は新人女優賞、水瀬いのりは在籍中に主演女優賞を受賞するほどの活躍を見せている。

私が小耳に挟んだ噂話だと、ソニー系はオーディションで枠が一括だと聴いたことがあるので、ソニー・ミュージックアーティスツに押されてミューレが出にくくなっているのでは?と想像している。たとえば、SMA所属に水野朔がいるが、2021年に『SELECTION PROJECT』、今年は『ぼっち・ざ・ろっく!』『後宮の烏』に出演が決まっている。特に後者は主演である。この売れ方はミューレ1期生や2期生を彷彿とさせる。(ほかにバズウェーブがあるが、こちらは天城サリーを除いてほとんど声優仕事がないので大きな問題ではないだろう。)

次に『アイドリープライド(アイプラ)』に関してだが、アイプラは、アニメの出来はお世辞にもあまり良いとは思えなかったけど、ゲームは割と面白い。おかげでセルランも比較的安定している。失敗だとは言い切れないのだが、大成功とも言い難いのが微妙なところで、ユーザーが増えていかないけど、畳むわけにいかない。なので、ライブ系のコンテンツなのに声優の顔がなかなか売れない

ミューレの全声優が起用されているので、どうしてもアイプラファンはミューレファンが多くなるだろうが、それ以上の広がりが難しい。2期生は全員アイマスに起用したので、ミューレに興味がない人も2期生の顔と名前を覚えてもらうのに効率的だった。アイプラは、なんならミューレファンに菅野真衣たちサニーピースメンバー(いやサニピも魅力的なのは事実なんですが)を紹介しているようにすら映る。かと言って、スフィアやTrySailを一切起用しなかったら今頃終わっていた可能性もあるので、如何ともし難いのだが…。

まとめ

まとめると、ミューレ3期生が売れるのに時間がかかってる理由は

・コロナ禍により新人声優がそもそも出てこられない
・ソニー・ミュージックアーティスツとの兼ね合い
・アイドリープライドの微妙な立ち位置

にあると私は思っている。

そろそろ月のテンペストというアイプラコンテンツではない、単独の声優ユニットを結成するんじゃないかなと私は想像している。ひょっとすると5人グループじゃなくて、2人と3人とかいう分け方も考えられそうな気もしないでもない。何でも良いからもっと売れてほしい。悪い子いないんですよ。見つかれば絶対ファン増えると思うんだけど。ブログに書いたらその逆のことがよく起きるから、これで売れないかなあ。

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