女性声優101人の明田川率を調査 明田川ファミリーは本当に存在するのか?

声優のキャスティングは基本的には音響監督が行う。その音響監督の中で絶大な力を持っているとファンの間で噂される人物がいる。明田川仁である。明田川仁の父親は同じく音響監督の明田川進で、その威光を受け継いだのかどうか知らないが、確かに多くのアニメを担当している。

しかし明田川仁が力を持っているというのは、多数のアニメを担当しているからという理由だけではない。明田川仁に気に入られた声優は、多数のアニメに出演することができるという噂があるからだ。この気に入られた声優を明田川ファミリーと呼ぶこともある。

しかしながら、本当に一音響監督がアニメの声優業界を牛耳れるほどの権力を持っているのか、少し疑問ではある。そこでこの記事では、明田川仁がどんな声優を重用しているのか、本当に絶大な権力を持っているのかを検証する。なお最近、声優の枕営業が取り沙汰されているが、調べ始めたのは件の騒動以前のことだったので、そのための記事ではないことは前もって言っておきたい。

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検証方法

明田川ファミリーが話題になるのは大抵女性声優であるから、この記事では女性声優101人に対して、音響監督が明田川仁である確率(明田川率)を調べた。

なお明田川仁は株式会社マジックカプセル所属で、同所属の濱野高年、田中理恵および音響をマジックカプセルが担当するアニメも、実質的に明田川仁がキャスティングを決定しているという話もある。しかし面倒なので、今回は明田川仁が音響監督として担当したものだけをカウントした。全てを含んだ割合が多い声優は、明田川仁の割合も高いと思われるので、傾向は把握できるだろう。

なお、明田川仁担当作品および声優担当作品はすべてWikipediaを参照した。なお対照は手動で行なったので、カウントミスなどは大いにあると思う。できれば寛容な気持ちで見て欲しいし、あくまで傾向を見たものとして扱い、絶対数をあまり信じないでほしい。つまり正式なデータとして扱わないでほしい。また空き時間に調査したので、調査期間が一ヶ月以上に及んでいる。その間にWikipediaが編集されている可能性もあるので、了承願いたい。

女性声優101人は、明田川仁に嫌われているとされる声優、好かれているとされる声優をネットで調べ、その声優を優先的に調査し、それ以外は私の独断で様々な事務所から選んだ。あまりに声優の出演数が多すぎると調べるのが大変な上に、興味深い結果が出そうになかったので、ベテラン声優やトップ級の声優は除いている。また出演数があまりに少なすぎる声優も対象外とした。

明田川率が低い声優



明田川率が調べた中で低かった60人とその割合を羅列したグラフである。音響監督が明田川仁の作品に全く出ていない声優も存在することが分かる。この中で、長江里加は13作にしか出演しておらず、出演数が少ないため偏りがあるとも解釈できるのだが、松井恵理子は63作、諸星すみれは54作、鬼頭明里は46作、渕上舞は45作など、数多くのアニメに出演していても明田川仁の作品には出演していない声優も存在する。

また、高垣彩陽は134作、悠木碧は139作に合計出演しているが、明田川作品はそれぞれ5作と7作となっており、平均的な数値よりもかなり少ない。黒沢ともよ渕上舞井澤詩織などは明田川仁に(本当かどうか知らないが)好かれていないと言われている代表的な声優だが、確かに明田川率は低くなっていた。

ちなみに、明田川仁は2010年以降は平均で年17作品程度担当しており、アニメ全体から言えば数%のみを担当しているだけだが、出演者が多いアニメやそうでないアニメがあるので、一概に数%以上の声優は明田川率が高いとも言えない。今回調べた101人の女性声優の明田川率の平均は19%で、中央値は17%となっている。しかしながらこれは明田川率高い声優を多めに選んだためだと思われ、全声優の平均はもう少し低いものと考えられる。

明田川率が高い声優


上は明田川率が高かった女性声優40人を羅列したグラフである。突出した数値を出しているのは芳野由奈でこれは彼女がクレアボイス所属であることが大いに関係している。クレアボイスは明田川親子と関係の深い事務所であるので優先的に起用されるのだろう。葉山いくみも同様にクレアボイス所属である(ただしクレアボイス所属が先か明田川親子に重んじられたのが先かという卵と鶏問題は存在するが)。

クレアボイス所属を除けば、赤尾ひかる鈴木絵理がどちらも50%となっており、次いで石上静香が44%となっている。赤尾ひかるは出演作品が24作品と多くないので偏りが生じている可能性があるが、鈴木絵理は56作品、石上静香に至っては109作品にも出演しているので、明らかに明田川仁に重んじられているのが分かる。

楠木ともり(16作)、島袋美由利(24作)は出演作品数が少ない。種田梨沙は明田川ファミリーの代表的な声優の一人とされるが、実際に明田川率は37.5%と高くなっている。なお、後述するが、明田川仁担当のアニメの出演にはある法則のようなものが存在しており、種田梨沙はそれによく合致した声優である。

事務所による明田川率の違い

明田川仁に重用される声優とそうでない声優がいるのは、単純に事務所単位で選んでいるためではないかという可能性が考えられる。そこで代表的な4つの事務所に対して主要所属声優の明田川率をまとめてみた。

クレアボイス

クレアボイスの明田川率

クレアボイスは付属養成所のクレアボイス養成所の講師を明田川親子が務めていたなど、関係が深い事務所である。葉山いくみ以外はすでにクレアボイスを退所しているが、ここに載せてある。実際に、芳野由奈が突出して多いことは述べたが、その他に葉山いくみと、久保ユリカは平均値よりもかなり高くなっている。

一方でシグマセブンから移籍してきた小倉唯は13.5%とそこまで高い数値ではない。これは単にクレアボイスは一時的に所属していただけであり、いわゆる腰掛けだったことが関係しているだろう。原田彩楓でも21.2%と平均値よりは多くなっているが、特筆すべき数値でもない。

アイムエンタープライズ

アイムエンタープライズの明田川率

深夜アニメ声優業界を牛耳ると言われるアイムエンタープライズでは、赤尾ひかる(50.0%)や大西沙織(34.5%)の数値が高くなっている。赤尾ひかるは出演数が24作と多くないが、大西沙織は87作に出演しているので重んじられているのだろう。全体として20%以上の声優が多く、アイムの声優をアニメでよく見るというのも、事務所単位で多くの声優が起用されているためなのかもしれない。

一方で、佳村はるかは3.6%、佐倉綾音は10.5%と平均値よりも低くなっている。この理由は分からないが、同一の事務所だからといって明田川作品に多く出演できるとは限らないことを示している。

81プロデュース

81プロデュースの明田川率

81プロデュースの所属声優は全体的に見れば明田川率が低い。ほとんどの声優が10%以下となっていて、これは完全ランダムに音響監督を選んだときに、明田川仁が担当になるくらいの確率だろう。しかしながら、明田川率が比較的高い声優も存在する。それが上田麗奈(12.6%)、古賀葵(15.4%)と高橋李依(25.8%)で、最近の81プロデュースを牽引している3人であることは注目に値する。

また、出演率44.0%の石上静香は元々81プロデュース所属だったのだが、プロ・フィットに移籍したというのはかなり興味深い。プロフィット所属だと明田川作品に出やすいのかと思うのだが、同所属の鬼頭明里は1本も出演できていないということもあり、そういうわけでもなさそうなのが不思議だ。

ミュージックレイン

ミュージックレインの明田川率

ミュージックレインは高垣彩陽ひとりを除いて全員が20%前後の明田川率になっている。これは多分ミューレはバーターが多く、同じアニメにミューレ所属声優を複数人キャスティングするために数字が似通ってしまうためだと考えられる。高垣彩陽は他の所属声優とは違うアニメに出演することが多いため、かけ離れた数値になっている。

高垣彩陽は明田川仁に嫌われているとされる声優のひとりであるが、事務所内で他の声優よりもかけ離れた数値になっているため、そう噂されるのだろう。

まとめ

事務所単位での傾向は存在する。今回調べた4事務所でもクレアボイス>アイムエンタープライズ>ミュージックレイン>81プロデュースの順で平均的に高率になっている。しかしながら、事務所内でも明田川作品にたくさん出演できたり、全く出演できない声優もいることが分かる。したがって事務所だけでキャスティングを選んでいるわけではない

長くなったのでページ分割します。もう少し続きます。

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明田川仁音響監督
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こえのおと
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