原田ひとみさんのTwitter発言の炎上に対して思うこと

声優の原田ひとみさんが自身のTwitterで以下のような発言をした。

日本に生まれて幸せでは無いと答えた人が仮に本当にそんなに多いなら、その人達にはぜひ、体売らなきゃ食べてもいけないとか、暴力殺戮もエグい全く自由の無い国とかに生まれたらよかったですねって言いたくなるの、私だけだろうか。平和ボケし過ぎると、今の生活に感謝も出来なくなるのだろうか。

この発言に多数の人が批判的なリプライを送って炎上の様相を呈している。このことについて私の思うことを書き留めておきたいと思う。

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原田ひとみさんの発言の真意

まずTwitterで彼女が発言を曲解しないでほしいと言っているので、原田ひとみさんの発言の真意を読み解く。原田ひとみさんは続けて以下のようなツイートもしている。

私のこれは、まずその国に生まれた事での人権や食などの最低保証があるかどうかを主軸として書いてます。豊かな国に生まれてから、のそれぞれの生き方や人生はその人自身が掴み取り変えていくもの。「個人的に自分の人生は云々を嘆く話」と「自分の国は不幸と思う話」は、論点から違う気もします。

毎日辛い人はいます。孤児院で育った知り合いもいます。でも、とてつもなく虐げられて生きて行かなければならない日本人が何十パーセントも締めるとは思えないから言ったのであり、今の生活に感謝も出来ない人は多くないかねと思っただけです。極端な例の方々にその状況を幸せと思えなどと言ってません

私はTKG食べただけでも(今は卵も禁止だから無理だけども)幸せを感じてしまうのでした。ゲーム出来る幸せ、好きなもの食べる幸せ、映画観れる幸せ、仕事できる幸せ、女の子追いかける幸せ。そりゃ生きてれば理不尽や不幸な事はそれぞれあるものだけど、今も私は生きてて幸せ感じれる事に感謝です。

したがって、彼女の言いたいことは、虐待されたわけでもなく、辛い思いをしているわけでもない「極端な例ではない」人は、日本に生まれて美味しいものを食べられて好きなことして遊べるのだから、不幸だと思うのはおかしいということだろう。日本に生まれたことが主原因となる不幸は、日本には少ないはずだとも言い換えられるかもしれない。

原田ひとみ発言の問題点

最初のツイートだけ読んだときは、日本で不幸だと言っているのはおかしいとしか私には取れなかった。毎日食べるものもなく、戦争をしているような国は世界中に沢山あるが、それと比べて日本に生まれたならば幸せなんだから、不幸と感じるのはおかしいと突き放されるような印象を受けても仕方ないと思う。

なによりも、「自由のない国に生まれたら良かったですね」は完全に煽り文句だろう。「自由のない国と比べたら恵まれていますよ」ならまだ分かる。ここが喧嘩腰で語っているので、不幸だと思っているやつが悪いと受け取られるのだと思う。私もブログで文章を書いているが、会話と違って文章はニュアンスが伝えにくい。想像していた反応と違う反応をされることもしばしばある。文字数無制限のブログですらそうなのだから、140文字のTwitterなど細心の注意を払わなければいけない。言葉を扱う声優業なら尚更だ。

そして一番問題だと思う発言が次である。

殆どの人は全国に色々あるコンビニバイトとかでもご飯くらい食べられる人が多いと思ってたけど、今の日本は身体売っても食べていけない人で溢れてるの?

そりゃ身体を売れば食べていけるかもしれない。だけど食べれないから身体を売ればいいという意見には全く首肯できない。またコンビニバイトでご飯は食べられるが、一時的にご飯が食べられることで、幸福だというのだろうか?将来の不安が全くない人の戯言にしか思えない。

原田ひとみ発言に対する私の意見

原田ひとみさんの発言の真意を汲んだ上で私の意見を書くと、それでもやっぱり正論とは言い難い。確かに、発展途上国と比べたら日本が豊かなことには変わりないだろう。しかし発展した国には発展した国の不幸が存在して、それは他国と比べるものではない。日本の問題と言えば例えば過労死やブラック企業の問題、介護の問題など数多存在し、それに悩まされている人は原田ひとみさんが想像しているよりも多分ずっと多い。

そして彼女はいま声優として成功している。彼女が自分で言っているように、美味しいものを食べて、好きな映画を見て、仕事ができて、ゲームもできている。そんな人から、日本に生まれて不幸だと思っている人は、貧しい国に行けと言われても反感しか買わない。これが例えば、スーパーボランティアで有名になった尾畠春夫さんが言うのであれば含蓄もあろうが、彼女が言うと「強者の論理」にしか思えない。

そして原田ひとみさんが何を見て、この発言をしたのか定かではないが、たぶん国連の幸福度調査だと想像する。そこで日本の幸福度は54位になっている。彼女は日本が豊かな国だと思っているが、実はそうでもない。同じ世界幸福度調査を見ると、

  • 人口あたりGDP
  • 社会的支援(ソーシャルサポート, 困ったときに頼ることができる親戚や友人がいるか)
  • 健康寿命
  • 人生の選択の自由度(人生で何をするかの選択の自由に満足しているか)
  • 寛容さ(過去1か月の間にチャリティ等に寄付をしたことがあるか)
  • 腐敗の認識

の6項目に対しても調査が行われている。そこでは健康寿命は日本はトップクラスだが、GDPや社会的支援、人生選択の自由度、腐敗の認識に関してはそこまで高くもないし、寛容さに至っては下から数えたほうが早い。日本はごく一部の人はすごく幸福を感じていると思うが、そういう人の存在が逆にそうではない人の不満を高まらせている構図がある。

もし自分が幸福だと思うなら、不幸な人は自由じゃない国を見て幸福だと思えというのではなく、不幸だと思っている人に少しでも手を差し伸ばせる人になりたい。

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原田ひとみ
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こえのおと
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