声優業界はVTuberに蹂躙されてしまうのか?ホロライブの声優進出が相次ぐ

バーチャルYouTuber(VTuber)の声優進出が相次いでいる。これまでもサービス終了のために取り止めにはなったものの『サクラ革命』で、白上フブキと宝鐘マリンを声優として起用したり、声優ユニット『電音部』でVTuberのグループが存在していたりと、ちょこちょことVTuberが声優として活動するケースがあったのだが、10月に入って、立て続けにVTuberの声優進出の話題が相次いだ。

まずは、アニメ『邪神ちゃんドロップキックX』の新キャラクター・エキュートの声優を選ぶためのオーディションを、ファン投票形式で実施したのだが、10人のコスプレイヤーやアイドル、声優志望などを交えておこなったのだが、1人参加したVTuberの朝ノ瑠璃が役を勝ち取った。

私は全くVTuberに詳しくないし、いまだにVTuberは「陰キャのキャバクラ」だとしか思っていない古い地球人なので、彼女がVTuber界隈で有名なのかどうかも知らないが、ある程度ファンがついていれば、これくらいは勝てるのだろう。これは『邪神ちゃん』ファンには、いささか不評なようでプチ炎上状態になっている。

次に、ホロライブのVTuberである尾丸ポルカ、白上フブキ、白銀ノエルが、ゲーム『リトルウィッチノベタ』にメインキャストとして参加する。こちらは主人公は小原好美なのだが、彼女を含めた4人以外が、門脇舞以や名塚佳織という有名声優にも関わらず、VTuberよりも下位に役名なしでキャスト表記があったとして、またプチ炎上している。

まだある。ホロライブ所属の大空スバルが、アニメ『ルパン三世』に声優として出演することが決まっている。これは1回限りのゲスト出演なのかレギュラーなのかはまだ判明していない。

そしてさらに、ホロライブの大神ミオがゲーム『地球防衛軍6』に登場することが決まった。これはDLCなので、好きな人だけ買えばいいのだから、ソシャゲのコラボに近いかもしれないが、VTuberの中でも特にホロライブの声優進出が相次いでいるのは間違いない。白上フブキは『探偵はもう死んでいる。』にも出てるし、宝鐘マリンもゲームとたくさんコラボしてるし、本人役とはいえ出演数だけみれば、泡沫新人声優よりもよっぽど声優である

※ 10/3に書き始めたもののため、古い情報が含まれるかもしれません。

スポンサーリンク
スポンサーリンク

Vtuberと声優業界

さて、このブログでもかつてVTuberについて書いたことが何度かあった。2018年3月の記事では次のように書いている。

VTuberが売れるとその仕事を辞められなくなる。動画のクオリティは落とせないので、今度はVTuberに縛られることになる。またキャラクターのイメージが付きまとってしまう。よってVTuberに出てしまったら声優としての活躍は望めない。

まあこれ自体は、キズナアイの中の人である春日望が思うように声優として出てこれないことからも、あながち間違いじゃないと思っている。(余談だけど、これを書いたときはVTuberには中の人などいないとか無粋だとか結構叩かれた。今のVオタは完全に外の人と中の人を同一視しているみたいだし、外の人に対する誹謗中傷は中の人に対するものだと法的にも扱われるらしいからそういう批判ももう出ないだろう。)

ただ、2019年7月の記事では次のようにも書いた。

これはVTuber本人が声優になることで解決したように思えたが、現在の声優はイベントなどで顔を晒す必要があるので、全てVTuberを担当するのはやはり難しい。

このころは、VTuberが声優をやるとしても、言い方は悪いが、客寄せパンダ的なゲスト出演だけで、こんなにガッツリ声優業界に絡んでくるとは思っていなかった。私がVTuberは一過性のブームだと決めつけていたというのもある。しかしながら、VTuberはオタクの一大産業になった

VTuberはファンが多い。チャンネル登録者数100万人を超えるチャンネルで、声優になることを発表すれば、そのゲームやアニメの宣伝になる。声優のTwitterのフォロワーで100万人を超えているのは数えるほどしかいない。ただでさえ、VTuberにゲームをプレイさせる宣伝方法が流行っているのだから、こういう流れになるのは自明だった。ただVオタがそのゲームをプレイし続けてくれるかってのは、少し疑問ではあるが、話題にならないよりはなるだけましという考えもある。

そして、Vtuberの趨勢と時期を同じくして、コロナ禍になった。コロナ禍ではイベントは制限されてしまうので、声優を使うメリットは多少なりとも小さくなる。それもあってVTuberの声優進出が更に進んだのではないか。このままだと、声優イベントはゼーレ会議のような感じになってしまうかもしれない。コロナ禍にはピッタリである。

声優業界はVTuberに蹂躙されてしまうのか?

個人的にはVTuberの声優進出はあまり歓迎していない。それはVTuberが演技が下手だからとか、声優でもないやつがしゃしゃり出てくるなとかいう理由ではなく、単純にVTuberにあまり興味を持っていないからで、それ以上でもそれ以下でもない。まあ、VTuber自体に興味がないというよりも、その集金システムだったり、取り巻きが好きになれないというのが興味を持てない理由だが。後者に関しては同族嫌悪だと罵ってくれても構わない。

演技が下手かどうかで言えば、声優の特訓を受けていないから本業声優並みとはいかないだろうけど、ゲーム『リトルウィッチノベタ』のときは、先に声だけ披露されていて、声優当てクイズが行われていた。そのときに全く炎上の素振りもなかったことから、大多数の声優ファンにとっても、VTuberの演技で十分なんだろう。このブログでも何度も言っているように、私は基本的に声さえ合っていれば、演技はそんなに気にしない。

尾丸ポルカ、白上フブキ、白銀ノエルがそれに該当するかは全く知らないのだけど、VTuberとして活動している人の中には声優志望の人も結構いるんじゃないかと思う。VTuberがやってることは、投げ銭の有無を除けば、声優ラジオみたいなものだし、声優もYouTubeでゲーム実況してるんだから、もはや境界線はなくなりつつある。

では、このまま声優業界はVTuberに乗っ取られてしまうのか?VTuberが声優仕事をする機会は増える(もしくは横ばいのまま)だとは思うけど、Vtuberに取って代わられるということはないだろう。一応「声優」は、キャラクターに声を当てるという技術専門職であり、確かなスキルを持った人材の需要はなくなることはない。また、ドル売り声優も需要がなくなるどころか、さらに数が増えている。声優養成所や専門学校がビジネスを成立するために、多数の声優希望を受け入れているというのも理由としてある。

また、VTuberを起用したことで炎上したということから分かるように、拒否感を持った人はまだたくさんいるので、VTuberを声優として起用するゲームやアニメは、現状のところ話題集めに苦慮しているようなところが主だろう。「ホロライブに頼るコンテンツは終わる」などと言われるが、ホロライブが悪いわけではなく、頼るまで追い詰められているというだけのことだ。

ただ、VTuberには大きなメリットがある。ひとつは、基本的に中の人が身バレすることがないので、恋愛関連スキャンダルの可能性が低いことである。VTuberも一応いくつかスキャンダルめいたようなものはあるけれども、致命的なものはほとんどない。中の人の姿が見えないので仮に何かあったとしてもリアリティが薄いというのも理由だろうか。


VTuberの初期は、表に出すぎた声優業界のアンチテーゼとして捉えられていた側面があったので、どろどろとした人間的な軋轢などを排除したいという無意識があって、スキャンダルの基準に差が発生していると考えている(10/13追記)。

もうひとつは、中の人の顔が見えないことである。最近の声優は容姿においても、一定以上のものが求められるので、顔が良くないもしくは年齢が高い人は、そもそも売れる機会さえ得られないことがある。声質はいい、演技力もあるんだけど、容姿が悪いという人を声優デビューさせるために、VTuberというガワを借りるという考え方は、倫理的にそれを実行できるかどうかは別にしてあり得る。なお、これはVTuberの中の人は全員ブサイクだと言っているわけではないので悪しからず。あくまでも、そういう戦略を取るところが出るかもしれないという話だ。

ただ、私はどうしてもVtuberよりも声優に価値観を置いて考えてしまうので、VTuberが声優になるのを名誉というか良いことのように感じてしまうのだけど、VTuberからしてみたら大して儲からない声優仕事を主とする理由はないかもしれないし、ファンも配信さえやってくれれば、声優仕事は別に望んでいないような気もする。

スポンサーリンク
スポンサーリンク
VTuber 声優業界
スポンサーリンク
スポンサーリンク
こえのおと
タイトルとURLをコピーしました